茅の輪守りは玄関にいつまで？正しい飾り方と処分・交換の作法を徹底解説

「茅の輪守りって、いつまで玄関に飾っておけばいいの？」──そんな疑問を持つ人は意外と多いですよね。

夏越の大祓（なごしのおおはらえ）や年越の大祓で授かる茅の輪守りには、家族を守る深い意味があります。

でも、正しい飾り方や処分の仕方を知らないまま、なんとなく飾っている方も少なくありません。

この記事では、茅の輪守りの由来や玄関に飾る意味、飾る期間の目安、神棚がない家での扱い方、そして古い守りの処分・保管方法まで丁寧に解説します。

信仰を暮らしに自然に取り入れ、家族の健康と平穏を守るための具体的なヒントを、やさしい言葉でお伝えします。

茅の輪守りを玄関に飾る意味とは？家族を守る神聖な理由
茅の輪守りは玄関にいつまで飾る？正しい期間の目安
神棚がない家でもOK！玄関での正しい飾り方と方角
古い茅の輪守りはどうする？処分・交換・保管の方法
家庭で茅の輪守りを続けるための心構え

茅の輪守りを玄関に飾る意味とは？家族を守る神聖な理由

茅の輪守りを玄関に飾ることには、古くから「家族を守る」「災厄を防ぐ」という深い意味があります。

単なるインテリアではなく、家の出入口を清め、外からの邪気を寄せ付けない神聖な風習として伝わっています。

ここでは、その由来と信仰的な背景、そして家庭に与える良い影響について見ていきましょう。

茅の輪守りの由来と「大祓（おおはらえ）」の関係

茅の輪守りは、日本の古来の神事「大祓（おおはらえ）」に由来します。

この儀式は、半年に一度、心身の穢れ（けがれ）を祓い清める行事で、6月と12月の晦日に全国の神社で行われます。

茅（かや）という植物で作られた輪をくぐることで、災いや病気を遠ざけると信じられています。

この行事から生まれたのが、家庭で飾れる小さな「茅の輪守り」です。

茅の輪守りは、半年間の厄除けと無病息災を願うお守りとして、多くの家庭で受け継がれています。

時期	行事名	意味
6月30日	夏越の大祓	上半期の穢れを祓う
12月31日	年越の大祓	下半期の穢れを祓う

なぜ玄関に飾ると良いのか？気の流れと家庭の守護の意味

玄関は「気（エネルギー）」の出入り口とされ、家庭の運気を左右する重要な場所です。

ここに茅の輪守りを飾ることで、外から入る悪い気を防ぎ、家の中に良い気を呼び込むと考えられています。

つまり、玄関は家全体の“守りの砦”であり、茅の輪守りはその象徴です。

神棚がなくても、玄関を清めることで家を守れるという点が、現代の家庭にも受け入れられています。

飾る場所	効果
玄関の内側の上部	外からの邪気を防ぐ
ドア横・棚の上	良い気を招く
外から見えにくい場所	落ち着いた印象を保つ

子どもの健康や家族運を上げる「玄関の守り神」としての役割

茅の輪守りは、家族の健康を願う象徴でもあります。

特に子どもの病気平癒や家族の無事を祈って飾る家庭が多く、親の愛情を形にする習慣として根付いています。

昔から「輪をくぐることで新しい命を迎える」「穢れを断ち切る」という考えがあり、これが家庭の守護の信仰へとつながっています。

茅の輪守りを飾る行為そのものが、“家族の幸せを祈る時間”になるのです。

願いごと	意味
無病息災	病気や災いを防ぐ
家内安全	家庭の平穏を守る
子どもの成長	健やかな日々を願う

茅の輪守りは玄関にいつまで飾る？正しい期間の目安

茅の輪守りを授かったあと、多くの人が気になるのが「いつまで飾るべきか」という点です。

期間を守ることは、信仰的な意味だけでなく、神様とのご縁を丁寧に保つためにも大切です。

ここでは、季節ごとの行事や地域差を踏まえた飾る期間の目安を紹介します。

「夏越の大祓」と「年越の大祓」に基づく基本サイクル

茅の輪守りは、6月と12月の「大祓」の際に授与されるのが一般的です。

このため、飾る期間は「次の大祓まで」、つまりおおよそ半年間が基本の目安となります。

6月に受けた場合は12月末まで、12月に受けた場合は翌年6月末までというサイクルです。

この更新リズムは「穢れを祓って新たに迎える」という意味を持ち、心をリセットする節目にもなります。

授与の時期	飾る期間	交換タイミング
6月（夏越の大祓）	12月末まで	年越の大祓で新しい守りを授かる
12月（年越の大祓）	翌年6月末まで	夏越の大祓で新しい守りに交換

地域・神社ごとに異なる期間と確認ポイント

飾る期間は、地域や神社によって異なる場合があります。

ある神社では「半年ごとに交換」とされ、別の神社では「1年間飾って大丈夫」と案内されることもあります。

最も確実なのは、茅の輪守りを授与された神社の案内書を確認することです。

説明書がない場合は、社務所に問い合わせるのも丁寧な方法です。

神社によって扱い方が異なるため、“自分が受けた神社のルールを守る”ことが最優先です。

確認方法	おすすめ度
授与時のパンフレットを確認	◎
社務所に直接問い合わせ	○
地域の慣習を参考にする	△

1年飾っても大丈夫？長期で飾る場合の注意点

「半年ごとに交換」が理想とはいえ、生活スタイルによっては1年間飾るケースもあります。

その場合は、定期的にほこりを払い、清潔に保つよう心がけましょう。

また、日焼けや湿気で劣化が進むと、守りの力が弱まるとされるため、早めの交換がおすすめです。

“長く飾るよりも、清らかに保つこと”が何より大切という考え方を忘れないようにしましょう。

状態	対応
ほこりがたまっている	軽く拭き取る
変色や崩れがある	交換を検討
1年を超えた	お焚き上げや返納を行う

神棚がない家でもOK！玄関での正しい飾り方と方角

最近の住宅では神棚を置かない家庭も多いですよね。

でも大丈夫です。茅の輪守りは神棚がなくても、玄関にきちんと飾ればしっかりご利益をいただけます。

ここでは、方角や高さなど、神聖な守りを清らかに飾るためのポイントを詳しく解説します。

理想の位置と高さはどこ？飾る時のNG例も紹介

玄関に飾る際は、できるだけ目線よりも高い位置に置くのが基本です。

これは「神様は見下ろす存在」という日本の信仰に由来しています。

ドアの上部、玄関の棚の上、または壁に専用フックを使って飾るとよいでしょう。

“高く清らかな場所”に飾ることが最大のポイントです。

飾る場所	良い例	避けたい例
玄関ドアの内側	頭より上に設置	ドアノブ付近（低すぎる）
棚の上	白布を敷くとより丁寧	靴置きの近く（不浄とされる）
壁	画びょうや紐で固定	直接両面テープで貼る

また、地面に近い場所やほこりの溜まりやすい位置は避けましょう。

神聖なお守りを清浄に保つことが何より大切です。

清らかに保つための掃除・環境づくりのコツ

茅の輪守りは自然素材でできているため、湿気や汚れに弱いという特徴があります。

玄関周りを常に清潔に保ち、週に1度はほこりを拭き取るようにしましょう。

特に梅雨時や冬場は、湿気によってカビが生えることもあるので要注意です。

日光が強すぎる場所も退色の原因になるため、レースカーテンや木の陰になる位置がおすすめです。

環境	対策方法
湿気が多い	除湿剤を近くに置く
日光が強い	レースで光を和らげる
ほこりっぽい	定期的に柔らかい布で拭く

玄関インテリアと調和する飾り方アイデア

茅の輪守りは素朴なデザインなので、どんな玄関にも自然になじみます。

しかし、せっかくならインテリアとしても美しく飾りたいですよね。

和紙や白布を敷いた小さな台の上に置く、木製のフレームに収めるなど、神聖さを損なわずに飾る工夫をしましょう。

“毎日見ても心地よい空間にすること”が、信仰を日常に溶け込ませるコツです。

スタイル	おすすめ飾り方
ナチュラル系	木製台＋白布
モダン系	シンプルフレームに収める
伝統的	神棚代わりの棚の上に飾る

古い茅の輪守りはどうする？処分・交換・保管の方法

古くなった茅の輪守りをどう扱うかは、多くの人が迷うところです。

ここでは、神様に失礼のないように処分・交換・保管する方法を整理して紹介します。

お焚き上げ・返納の正しい手順

最も丁寧な方法は、授与された神社に返納することです。

神社では「古札納所（こさつのうしょ）」や「お焚き上げ」の場が用意されていることが多く、そこに納めるのが一般的です。

納める際は、白い紙や布に包み、「ありがとうございました」と感謝の気持ちを込めましょう。

神社が遠い場合は、自宅でお清めして処分しても構いません。

塩で清め、白い紙に包んでゴミに出す場合も“感謝の言葉”を忘れないことが大切です。

方法	内容	注意点
神社で返納	古札納所へ納める	包み紙は白を使用
お焚き上げ	正月・節分・大祓などに実施	神社の指示に従う
自宅で処分	塩で清め、白紙で包む	感謝を忘れない

半年・1年ごとの交換タイミングとサイン

茅の輪守りは、基本的に半年または1年ごとに交換するのが理想です。

ただし、破損や変色が目立つ場合は、早めの交換を検討しましょう。

神様を迎える「新しい守り」に取り替えることは、家庭のエネルギーをリセットする意味もあります。

見た目の変化は、“感謝と更新”のサインとして受け止めると良いですね。

状態	交換の目安
半年経過	大祓で更新
色あせ・ほこり	早めに新しい守りへ
1年以上経過	必ず返納またはお焚き上げ

捨てられない場合の保管方法と注意点

「思い出があって捨てられない」「どうしても残しておきたい」という場合もあります。

その際は、清潔で静かな場所に保管するようにしましょう。

タンスの奥や床下ではなく、目線より上の棚や箱などに納めるのが理想です。

和紙や白布で包み、湿気や直射日光を避けることで、守りをきれいな状態で保てます。

保管しても“神様の気持ちを宿すもの”として扱う意識を忘れないことが大切です。

保管環境	対策
湿気が多い	除湿剤を一緒に入れる
直射日光が当たる	箱に入れて保護する
ホコリが多い	和紙や布で包む

家庭で茅の輪守りを続けるための心構え

茅の輪守りを玄関に飾ることは、単なる習慣ではなく「心を整える時間」を持つことでもあります。

ここでは、日々の暮らしに無理なく茅の輪守りを取り入れるための考え方を紹介します。

家族で続ける小さな祈りの習慣が、心の安定や家庭の調和につながります。

「形式より感謝」を大切にする信仰のあり方

茅の輪守りを飾るうえで最も大切なのは、決められた形にこだわることではありません。

たとえ飾る期間や方角が多少違っても、心を込めて向き合うことが何より尊いとされています。

“感謝の気持ちを持つこと”が最大の祈りなのです。

朝の出入りのときに軽く手を合わせるだけでも、家族を包む空気が少し柔らかくなるものです。

行動	意味
玄関を清める	穢れを祓う
一礼・感謝を伝える	神様とのご縁を深める
家族と共有する	信仰を自然に受け継ぐ

子どもと一緒に行う季節行事としての楽しみ方

茅の輪守りは、子どもたちに日本の行事や感謝の心を伝える良い機会でもあります。

大祓の日に神社へ出かけて一緒に茅の輪をくぐる体験は、家族の思い出にもなります。

「また半年、元気で過ごそうね」と声をかけるだけで、子どもにも自然と感謝の心が育ちます。

家庭でできる信仰の継承は、“行動で見せること”が一番の教育です。

行事	家庭での取り入れ方
夏越の大祓（6月）	神社にお参りし、茅の輪をくぐる
年越の大祓（12月）	古い守りを感謝と共に返納する
日常	玄関を清め、守りに一礼する