指定校推薦の校内選考書類にある「保護者の意見」欄。
いざ書こうとすると、「何を書けばいいの?」「どのくらい重要なの?」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
実際、保護者の意見は合否を左右するほどの要素ではありません。
しかし、家庭からお子さんを後押しする大切なメッセージとして、丁寧にまとめておくことが大切です。
本記事では、指定校推薦の保護者の意見の基本的な書き方やNG例、そして就職・進学・未定などシーン別の例文をわかりやすく紹介します。
どんなケースでも使える例文と書き方のコツを押さえれば、安心して書類を仕上げられます。
親としての気持ちをシンプルに、前向きに伝えるためのヒントを一緒に見ていきましょう。
指定校推薦の「保護者の意見」とは?その役割を正しく理解しよう
まずは、「指定校推薦の保護者の意見」とは何を求められているのかを理解しておきましょう。
この欄は、保護者としての立場からお子さんの進学をどのように支えているか、学校側に伝えるためのものです。
保護者の意見欄は何のためにあるのか
指定校推薦の書類にある「保護者の意見」欄は、学校が家庭の理解と協力体制を確認するために設けられています。
つまり、親として子どもの進路にどのように関わっているかを知るための情報源です。
内容の中心は「応援」と「理解」を示すことであり、評価の対象になることはほとんどありません。
| 目的 | 具体例 |
|---|---|
| 家庭の理解を確認 | 子どもの進学意欲を家庭として支援している |
| 人物像を把握 | 家庭での学習態度や性格を知る |
合否に影響する?学校が見ているポイント
多くの保護者が気にするのが「保護者の意見が合否に影響するのか」という点ですよね。
実際のところ、合否を左右する決定要素ではありません。
ただし、内容が本人の意志と大きく異なる場合は、学校側が不安を感じることもあります。
そのため、子どもの言葉と矛盾しない一貫性が大切です。
| 評価される内容 | 避けたい内容 |
|---|---|
| 応援・理解・共感を示す文 | 否定的・曖昧な意見 |
| 家庭での努力や姿勢の紹介 | 本人の意思を軽視する記述 |
どんな内容を書けば評価されるのか
保護者の意見欄では、学業成績の解説よりも、家庭で見てきたお子さんの成長や努力を具体的に書く方が好印象です。
たとえば、「毎日コツコツ勉強している」「志望校への思いをよく話してくれる」といった身近なエピソードが信頼感を与えます。
家庭からの温かい視点で、前向きに応援する文章を意識しましょう。
| 書き方のポイント | 具体例 |
|---|---|
| 具体的な行動を書く | 毎朝同じ時間に勉強を続けている |
| 家庭での会話を盛り込む | 進学への思いを家族で話し合っている |
保護者の意見に書くべき3つの基本要素
ここからは、実際に「保護者の意見」を書く際に意識すべき3つの基本要素を紹介します。
どんなシーンでもこの3点を押さえておけば、安心してまとまりのある文章を作成できます。
子どもの大学適性をどう伝えるか
大学や学部とお子さんの得意分野・性格をどう結びつけるかがポイントです。
「理系科目が得意で、理学部の学びに向いている」「人と関わることが好きで、教育学部の学びに共感している」といった具体的な説明が有効です。
| 視点 | 書き方例 |
|---|---|
| 学力・適性 | 数学や理科に興味を持ち、研究への姿勢が見られる |
| 人柄・性格 | 協調性があり、集団での学びにも前向きに取り組める |
志望理由を親の立場から補足する方法
子ども本人が語っている志望理由を、親としてどう受け止めているかを補足しましょう。
たとえば、「説明会で学部の内容を聞き、より強い意欲を持ったように感じた」など、保護者の目線でのエピソードを加えると信頼感が増します。
“見守る立場からの共感”が伝わると、読み手に温かい印象を与えます。
| 親の視点 | 具体的な補足表現 |
|---|---|
| 志望理由の理解 | 本人が将来の夢に向けて学びたい気持ちを理解している |
| 家庭での様子 | 資料を見ながら何度も志望校の話をしていた |
将来の目標と親の後押しを表現するコツ
最後は、子どもの将来への姿勢を信じ、応援する姿勢を言葉にします。
たとえ具体的な進路がまだ決まっていなくても、「本人の前向きな姿勢を尊重している」とまとめれば十分です。
信頼と応援のメッセージが伝わることで、文章に温かみが加わります。
| 締め方の例 | 文章サンプル |
|---|---|
| 応援を伝える | 本人の努力を信じ、温かく見守っていきたい |
| 前向きな姿勢 | 学びを通じて成長していくことを期待している |
指定校推薦で避けるべきNGな書き方
ここでは、せっかくの「保護者の意見」がマイナス印象になってしまうNGな書き方を整理します。
よくある失敗パターンを避けることで、読みやすく信頼感のある内容に仕上がります。
否定的・反対的な内容は絶対にNG
もっとも避けたいのは、子どもの進学に対して否定的な姿勢を示す書き方です。
「本人の考えが甘いと思う」「進学に不安がある」などの言葉は、学校側に不信感を与えかねません。
たとえ心配があっても、応援の姿勢でまとめることが大切です。
| NG表現 | 改善例 |
|---|---|
| 学費が心配で進学を迷っている | 家族で支えながら進学を応援していきたい |
| 本人の考えが浅いように感じる | 進学を通じてより考えを深めてほしいと願っている |
抽象的・長すぎる文章は避けよう
推薦書類の文章は、簡潔でわかりやすいことが基本です。
「頑張っている」「良い子だと思う」といった抽象的な表現だけでは、伝わる印象が弱くなります。
1つの具体例を添えるだけで、ぐっと説得力が高まります。
| 抽象的な書き方 | 具体的な書き方 |
|---|---|
| 部活動を頑張っている | 3年間テニス部で練習を続け、試合にも積極的に出場した |
| 真面目な性格 | 毎朝早く登校し、提出物を期限前に終わらせている |
子どもの意見と矛盾する書き方に注意
本人の志望理由と保護者の意見が食い違ってしまうと、内容全体の信頼性が下がります。
書く前に必ずお子さんと話し合い、意見の方向性をそろえておきましょう。
「本人が志望する理由」「親が感じている応援の気持ち」が一致していると、より自然で温かい印象になります。
| 矛盾する例 | 統一された表現例 |
|---|---|
| 本人は進学を迷っている/親は強く進学を勧めている | 本人の意志を尊重し、家庭としても応援していきたい |
| 本人は教育学部を希望/親は経済学部を勧めたい | 本人の興味を理解し、志望学部の選択を尊重している |
指定校推薦の保護者の意見【例文集:シーン別】
ここからは、実際に使える「保護者の意見」例文を、シーン別に紹介していきます。
自分のお子さんの状況に近いものを選び、参考にしながらアレンジすると書きやすくなります。
将来の就職を見据えた場合の例文
お子さんが将来の就職を意識している場合、大学での学びと職業との関係を意識して書きましょう。
| 書き方の視点 | 具体例 |
|---|---|
| 学びと就職の関連 | 大学で学ぶ内容が希望する業界に直結している |
| 努力の過程 | 課題提出や予習を欠かさず、日々努力している |
【例文】
本人は□□業界での将来を見据え、○○大学△△学部での学びを強く希望しております。
家庭でも学習に真剣に取り組む姿勢が見られ、その意欲を頼もしく感じております。
保護者としても、その夢を尊重し、進学後も温かく支えてまいりたいと考えております。
大学院進学を目指す場合の例文
大学院進学を見据えている場合は、「探究心」と「継続力」を中心に伝えるとよいでしょう。
| 書き方の視点 | 具体例 |
|---|---|
| 興味の継続 | 幼少期から理科に興味を持ち続けている |
| 学びの深化 | 学部で得た知識をさらに発展させたい意欲がある |
【例文】
本人は幼いころから××に関心を持ち、その興味を現在も持続させています。
○○大学△△学部では、さらに専門的な知識を深められると理解し、強い意志をもって志望いたしました。
家庭でもその意欲を感じており、今後も成長を信じて支えてまいりたいと考えております。
将来がまだ定まっていない場合の例文
将来の方向が明確でない場合でも、前向きな姿勢を評価する内容にしましょう。
| 書き方の視点 | 具体例 |
|---|---|
| 幅広い学び | 大学で多様な分野に触れることで将来を見出したい |
| 挑戦する姿勢 | 未知のことにも前向きに取り組んでいる |
【例文】
本人はまだ具体的な進路を定めておりませんが、○○大学での学びを通じて自分の可能性を探りたいと考えております。
日々の学習や部活動にも誠実に取り組む姿を見ており、その前向きな姿勢を誇らしく感じています。
保護者としても、その挑戦を応援し、温かく見守っていきたいと思います。
学業面を中心に書く場合の例文
学習意欲や得意分野を中心に書くときは、成績や日常の努力を具体的に示しましょう。
| 書き方の視点 | 具体例 |
|---|---|
| 得意科目 | 英語の学習に熱心で、模試でも安定した成績を維持 |
| 学習態度 | 自ら課題を設定し、計画的に学習を進めている |
【例文】
本人は日々の学習に真摯に向き合い、基礎を大切にしながら努力を重ねてまいりました。
特に英語に強い関心を持ち、授業以外でも積極的に学びを深めています。
その姿勢を尊重し、今後も自らの目標に向かって成長していくことを期待しております。
人柄を伝える場合の例文
性格や協調性など、学力以外の面を伝えるときに有効です。
| 書き方の視点 | 具体例 |
|---|---|
| 誠実さ | 約束を守り、仲間との協力を大切にしている |
| 協調性 | クラス活動で中心的な役割を果たしている |
【例文】
本人は常に誠実な姿勢で周囲と関わり、友人からの信頼も厚く、責任感を持って行動しております。
その温かい人柄は、大学生活でも良好な人間関係を築く基盤になると感じております。
親としても、この姿勢を尊重し、今後の成長を応援してまいります。
部活動・課外活動を交える場合の例文
部活動の努力や継続力を評価する内容にまとめると、実践的な印象を与えられます。
| 書き方の視点 | 具体例 |
|---|---|
| 活動実績 | 3年間サッカー部で努力を続け、最後までやり遂げた |
| 成長の過程 | リーダーとしてチームをまとめる経験を積んだ |
【例文】
本人は高校3年間、○○部に所属し、粘り強く活動を続けてまいりました。
練習を通じて努力する姿勢や仲間との協調を学び、大きく成長したと感じております。
その経験を大学でも活かし、前向きに学び続けていけるよう見守っていきたいと思います。
家庭での様子を交える場合の例文
家庭での努力や生活習慣に触れると、親にしか書けないリアルな内容になります。
| 書き方の視点 | 具体例 |
|---|---|
| 家庭での学習 | 毎日決まった時間に机に向かっている |
| 生活態度 | 家事を手伝いながら学習も両立している |
【例文】
本人は規則正しい生活を心がけ、毎日欠かさず学習を続けております。
家庭でも責任感を持ち、家事や手伝いにも積極的に関わっています。
こうした真面目な姿勢が、大学での学びにも活かされると信じております。
志望理由を親子で一緒に整理する方法
お子さんの志望理由を保護者の意見欄にうまく反映させるためには、親子での話し合いが欠かせません。
ここでは、無理なく自然に子どもの考えを引き出すコツを紹介します。
子どもとの話し合いで引き出すコツ
志望理由を書く前に、お子さんがどんな思いで志望校を選んだのかを聞く時間を設けましょう。
単に「なぜその大学に行きたいの?」と尋ねるよりも、具体的な質問で会話を広げることがポイントです。
本人の言葉で出てきた内容をメモにしておくと、保護者の意見に反映しやすくなります。
| 質問例 | 書き方に活かせる表現 |
|---|---|
| 説明会で印象に残ったことは? | 大学説明会で学部の話を聞き、意欲が高まったと話していた |
| どんな分野に興味がある? | 興味のある分野を深く学びたいと語っていた |
| 将来どんなことをしたい? | 将来□□の仕事に就きたいという明確な目標を持っている |
会話の中で出てきた「大学での学び」「将来への思い」などを、保護者の立場で補足して書くと、文章に一貫性と深みが出ます。
また、お子さんが悩んでいる様子を正直に書く場合も、否定的にならずに「一緒に考えている姿勢」を示すと好印象です。
オープンキャンパスや資料を活かした書き方
オープンキャンパスや大学パンフレットなど、実際に見聞きした情報を使うと説得力が増します。
保護者として、“実際に大学のことを理解している”姿勢を見せると、信頼性の高い文章になります。
| 活用できる情報 | 文章での活かし方 |
|---|---|
| オープンキャンパスでの印象 | 本人が実際に参加し、学びの雰囲気に惹かれた様子が見られた |
| 大学資料や公式サイト | カリキュラム内容を理解し、学びたい分野が明確になった |
こうした具体的なエピソードを盛り込むと、家庭としてしっかりと進路に向き合っていることが伝わります。
「親子で進学を考えている」ことを示すのが理想的です。
校内選考での保護者の意見の実際の影響
次に、保護者の意見が校内選考や合否にどの程度影響するのかを確認しておきましょう。
結論から言えば、内容そのものが合否に直結することはほとんどありません。
評価の対象にならない部分
学校は「保護者の意見」を、家庭での理解や支援の有無を確認するための補足資料として見ています。
文の上手さや長さで評価されるわけではなく、あくまで全体の背景を知るための情報です。
| 評価されない要素 | 理由 |
|---|---|
| 文章の長さ | 内容よりも簡潔さが重視されるため |
| 表現の上手さ | 評価対象は生徒本人の学業や態度だから |
| 親の学歴・職業 | 子どもの能力や意欲とは関係がないため |
そのため、必要以上に難しく書こうとするよりも、「親としてどう応援しているか」を素直に書くことが一番です。
それでも誠実に書くべき理由
たとえ合否に直結しなくても、保護者の意見欄は推薦書として提出される正式な書類です。
学校側は、家庭が子どもの進学をどう支えているかを知りたいと考えています。
誠実な内容は、結果的に学校との信頼関係を築くことにもつながります。
| 書くべき姿勢 | 理由 |
|---|---|
| 前向きな応援の姿勢 | 子どもの成長を支える姿勢が伝わる |
| 誠実で一貫した内容 | 家庭としての信頼感を高める |
形式的に書くよりも、「子どもの努力を信じ、応援している」という気持ちを率直に表すことで、読み手に温かい印象を残すことができます。
最終的には、内容の正確さよりも“誠実さ”が評価されるという点を意識しておくと良いでしょう。
指定校推薦の「保護者の意見」まとめ
ここまで、指定校推薦の「保護者の意見」の書き方や例文、注意点を見てきました。
最後に、書類を完成させるうえで最も大切なポイントを整理しましょう。
応援の気持ちをシンプルに伝えるのがベスト
保護者の意見欄は、難しい言葉や長文を求められているわけではありません。
お子さんの進学に対する応援の気持ちを、素直に、シンプルに書くことが何より大切です。
「親として子どもの意志を尊重し、信じて見守る」という姿勢が伝われば、それだけで十分に良い印象を与えます。
| 良い書き方の特徴 | 具体的な表現例 |
|---|---|
| 前向きで温かい | 本人の努力を信じ、応援していきたい |
| 簡潔でわかりやすい | 短い文でも気持ちが伝わる構成にする |
| 家庭の理解を示す | 家族として進学の意志を尊重している |
最後は「尊重」と「見守り」で締めくくる
文章の締めくくりは、親の立場としての落ち着いた言葉でまとめるのがポイントです。
たとえば、「本人の意志を尊重し、温かく見守りたいと思います」という一文を加えると、穏やかで信頼感のある印象になります。
また、感情的な表現や強い希望よりも、子どもを信じて任せる姿勢が、読み手に安心感を与えます。
| 避けたい表現 | おすすめの表現 |
|---|---|
| 絶対に合格してほしい | 本人の努力を信じて応援していきたい |
| 不安はありますが頑張ってほしい | 温かく見守りながら支えていきたい |
最後まで迷ったときは、次の一文を参考にしてみてください。
「本人の意志を尊重し、これまでの努力を信じて、今後も温かく見守ってまいります。」
この一文があれば、どんなケースでも誠実で前向きな印象を残せます。


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